年齢を理由に賃貸を断られる前に、正しい対策を知っておきましょう。

高齢になったら賃貸を借りられなくなると聞きました。本当にそうなのでしょうか?

高齢者でも借りられる賃貸は確実に増えています。2025年10月には改正住宅セーフティネット法が施行されるなど制度も整備が進んでおり、正しい探し方と事前準備があれば選択肢は十分にあります。
📌 この記事のポイント
● 高齢者でも借りられる賃貸が増えている制度的背景が分かる
● 賃貸を断られやすい理由とオーナー側の懸念を理解できる
● 大阪で利用できる公営住宅や家賃補助の内容が分かる
● 高齢者が安心して住まいを探すための具体的な準備が分かる
高齢者でも借りられる賃貸の基礎知識と現状

「高齢者は借りにくい」という認識は変わりつつあります。社会構造の変化と制度整備が進む中で、現状をきちんと把握することが最初の一歩です。
高齢期に賃貸住宅を探す方は年々増えており、住まいに対する考え方も大きく変化しています。かつては「高齢者は賃貸を借りにくい」と言われてきましたが、社会構造の変化と法整備により、その前提が見直されつつあります。
高齢者でも借りれる賃貸は本当に増えている?
高齢者でも借りられる賃貸住宅は制度整備と社会的背景の変化により確実に増えています。総務省の人口推計によると、日本の65歳以上の人口は全体の約3割に迫っており、この層を無視した賃貸市場は成り立たなくなっています。
法律・制度面の整備が進んでいる
制度面でも大きな変化がありました。国土交通省が推進する「セーフティネット住宅制度」により、高齢者・低所得者・障害者などが入居しやすい賃貸住宅の登録が全国で進んでいます。
さらに2025年10月には改正住宅セーフティネット法が施行され、「居住サポート住宅」の創設や「終身建物賃貸借」手続きの簡素化が実現しました。居住サポート住宅では1日1回以上のICT等を活用した安否確認や月1回以上の訪問が義務化され、オーナー側が安心して高齢者に貸せる環境が整ってきています。
市場・現場でも高齢者受け入れが拡大している
実際の現場でも、シニア向け賃貸マンションや高齢者単身入居を受け入れる物件は増加しており、バリアフリー設計・見守りサービス付き・緊急通報装置の設置といった設備が整った一般賃貸も珍しくなくなっています。高齢者向け賃貸は「特別な例外」ではなく「市場として拡大している分野」に変わりつつあります。
ただし、探し方や条件の整え方によって結果は大きく変わります。
高齢者が賃貸を借りられないケースが多いのはなぜ?
高齢者が賃貸を借りにくいと感じる最大の理由は、物件数の少なさではなく、オーナー側の複合的な不安にあります。国土交通省の調査によると、賃貸オーナーの約7割が高齢者への入居に消極的な姿勢を持っているという結果も出ています。
オーナーが抱える主な懸念事項
オーナーが最も懸念するのは「孤独死リスク」です。室内で亡くなった場合、発見が遅れると原状回復費用が高額になるだけでなく、次の入居者が決まりにくくなる「心理的瑕疵」の問題も生じます。
さらに、年金収入が中心となる高齢者は家賃の支払い継続性について慎重に見られやすく、認知症による近隣トラブルや緊急時の連絡体制の不明確さも懸念材料になります。
年齢だけが原因ではない――懸念を解消するアプローチ
ただし、こうした問題は「年齢だけ」が原因ではありません。「オーナーが安心できる材料が不足している」ことが本質であり、家賃保証会社の利用・見守りサービスへの加入・緊急連絡先の整備などを組み合わせることで、入居のハードルを下げられるケースは多くあります。
借りられない理由には何がある?
高齢者が賃貸を借りられない主な理由を整理すると、「収入への不安」「保証人の問題」「孤独死リスク」「緊急時対応の不明確さ」の4つに集約されます。年齢そのものより、これらの不安材料が重なることで断られやすくなるのが実情です。
収入面では、年金収入が主な高齢者に対して「家賃の支払いが継続できるか」を慎重に見られます。一般的に家賃は月収の3分の1以内が審査の目安とされており、都市部では年金収入だけでこの基準を満たすのが難しいケースもあります。
保証人については、配偶者が同世代・子が遠方・頼める親族がいないというケースが増えており、保証人なしでは入居できない物件も多く残っています。
孤独死リスクへの対応として、高齢者の単身入居に対して事前に入居を断っている物件も今なお存在します。また、「急病が起きたときに誰が対応するのか」という緊急時の体制が不明確な場合も、「管理が難しい」と判断される要因になります。
| 断られる理由 | 対策 |
|---|---|
| 収入(年金のみ)への不安 | 家賃を年金額の1/3以内に設定・預貯金通帳を提示 |
| 保証人がいない | 家賃保証会社を利用する |
| 孤独死リスク | 見守りサービス・緊急通報サービスに加入する |
| 緊急時の連絡体制が不明 | 緊急連絡先を複数登録・かかりつけ医を明確にする |
68歳の女性が年金生活で部屋を探した際、保証人がいなく見守りサービスの契約もなかったため複数の不動産会社で断られましたが、家賃保証会社を利用し緊急連絡先を整備し見守りサービスに加入することで、別の物件で無事に契約できた事例があります。条件が整わないまま申し込むと断られやすい一方、対策を講じることで道は開けます。

私の母が60代で転居を検討したとき、まず家賃と立地から探し始めたのですが、不動産会社に行く前に「保証人はいますか」と電話で確認されたことがありました。準備なく動いていたので焦りましたが、保証会社の名前と見守りサービスの情報を事前に調べておくことで次の問い合わせはスムーズでした。
60代でも借りられる賃貸物件はどんな特徴がある?
60代でも借りやすい物件に共通しているのは、「安全性」「生活利便性」「管理体制」「入居条件の柔軟さ」の4点が整っていることです。この年代は心身ともに元気な方も多い一方、オーナー側から見ると「将来的な変化」を見越した物件選びが重要になります。
安全性と生活利便性の確認ポイント
安全性については、室内の段差が少ない・手すりが設置されている・廊下や浴室が広めに作られているといったバリアフリー設計が重要です。エレベーター付きマンションも、上階でも無理なく生活できるため入居しやすい物件として機能します。
● バリアフリー設計(段差なし・手すり設置・廊下と浴室が広め)
● エレベーター完備(上階でも体への負担が少ない)
● 駅・スーパー・病院が徒歩圏内(オーナーへの安心材料にもなる)
管理体制と入居条件の確認ポイント
管理体制がしっかりした物件(管理人常駐・定期巡回あり)は、万一の際の早期対応が期待でき、高齢入居者への信頼感につながります。入居条件の柔軟さとしては、家賃保証会社が利用前提で保証人なしOKの物件や、年金収入でも審査対象として認められる物件が該当します。
62歳で仕事を続けながら一人暮らしをしている男性が、駅近のエレベーター付きマンションに住み替えたケースでは、保証会社必須・保証人なしでも契約可能・管理人日中常駐という条件が整っており、年齢を理由に断られることなく契約が成立しています。物件選びの段階で現在だけでなく数年後の暮らしもイメージすることが、借りやすさに大きく影響します。
高齢無職でも賃貸を借りられる可能性はある?
高齢で無職・年金収入のみの場合でも、賃貸を借りられる可能性は十分にあります。分かれ目は「支払い能力をどう示すか」「保証体制をどう整えるか」「オーナーの不安をどう減らすか」の3点です。
支払い能力を数字と書類で示す方法
支払い能力については、厚生労働省の統計によると単身高齢者世帯の平均年金受給額は月額12〜15万円前後とされています。この金額に対して家賃を月収の3分の1以内(月15万円なら5万円程度)に抑えることが現実的なラインです。
預貯金がある場合は通帳の写しで一定期間の支払い能力を示すことも有効です。
保証・見守り体制を整えてオーナーの不安を減らす
保証については、家賃保証会社の利用が現実的な選択肢です。年齢や収入によって利用できる会社が限られる点に注意が必要ですが、保証会社利用前提の物件を選ぶことで選択肢は広がります。
緊急時対応については、月額数千円で利用できる高齢者向け見守りサービスが増えており、これへの加入がオーナーの安心材料になることが多くあります。
75歳・無職・年金のみの女性が当初複数物件で断られた後、家賃を年金額に見合う水準まで下げ・保証会社を利用し・地域の見守りサービスに加入したことで入居が認められた事例があります。オーナーは「支払い能力と緊急時の体制が明確になって安心できた」と話しています。
高齢者でも借りられる賃貸を見つける具体的な方法

正しい手順を踏めば、高齢者でも入居できる物件は確実に見つかります。準備と探し方の具体的なポイントを確認しましょう。
高齢者が賃貸を探す際には、若い世代とは異なる視点と準備が必要です。何度も断られ続けると精神的な負担になりますが、正しい手順を踏めば入居できる物件は確実に見つかります。
高齢者が賃貸を借りる方法でまず押さえるべきポイント
高齢者が賃貸を借りる際に最初に準備すべきことは、「支払い能力の見える化」「保証体制の整備」「緊急時体制の構築」の3つです。この3点が整っていないと、どれだけ物件を探しても申込み段階で断られてしまいます。
支払い能力については、年金収入が月15万円であれば家賃は5万円前後が現実的なラインです。預貯金がある場合は通帳の写しを用意しておくと審査がスムーズに進みます。
保証については、連帯保証人が確保できない場合は家賃保証会社の利用が必須になります。最近は高齢者向けに年齢制限を緩和している保証会社も増えており、選択肢は広がっています。
緊急時の体制づくりとして、以下の準備をしておくとオーナーの不安を大きく減らすことができます。
● 親族や信頼できる知人を緊急連絡先として複数登録しておく
● 地域の見守りサービスや緊急通報サービスに加入しておく
● かかりつけ医や通院先を事前に明確にしておく
70歳の単身女性が最初は保証人なしを理由に連続して断られましたが、年金額に見合った家賃へ条件を下げ・保証会社を利用し・見守りサービスに加入したことで「複数の物件から選べる状況になった」という事例があります。勢いで申し込むのではなく、この3点を整えてから動くことが最短で入居につながる方法です。

関西在住の叔母がシニア向けマンションへ引っ越した際、「普通の賃貸より入居までの確認が丁寧だった」と話していました。事前にどんな設備があるかをリストで渡してくれたそうで、見守りサービスの仕組みを納得してから決められたと安心していました。
シニア向け賃貸マンション、関西で選ぶならどこがいい?
関西でシニア向け賃貸マンションを選ぶ際は、「医療体制」「交通利便性」「生活施設の充実度」「見守り体制」の4点が整ったエリアを優先することが失敗しない選び方です。
医療体制と交通利便性の確認
医療体制については、総合病院やクリニックが徒歩圏内にあることが非常に重要です。大阪市内では北区・天王寺区・阿倍野区などが医療環境が整ったエリアとして知られています。
交通利便性では、鉄道やバスが充実し駅近の物件が、将来的に運転が難しくなっても移動に困りにくいという大きなメリットがあります。
見守り体制と物件の選び方
関西のシニア向け賃貸マンションには、見守り体制や生活支援サービスが付帯している物件も多くあります。フロントや管理人による声かけ・緊急通報ボタン・提携医療機関との連携・安否確認サービスなどが整った物件では、オーナーも高齢者の入居に前向きです。
● 管理人の声かけ・緊急通報ボタン・安否確認サービスの有無を確認する
● 提携医療機関との連携体制があるか事前に問い合わせる
● 「今の暮らし」と「数年後の暮らし」の両方を想定した立地を選ぶ
兵庫県西宮市のシニア向けマンションに入居した69歳男性は、駅から徒歩5分・医療モール隣接の環境を選びました。見守りサービス付きを選択したことで、年齢を理由に断られることなく「長く安定して住んでもらえる」とオーナーが判断し契約が成立しています。
「今の暮らし」と「数年後の暮らし」の両方を想定した立地とサービス選びが重要です。
高齢者向け公営賃貸住宅、大阪の申し込み条件とは?
大阪府・大阪市が運営する公営賃貸住宅は、所得の低い高齢者でも安心して住めるよう設計された、比較的借りやすい賃貸住宅です。最大の特徴は、入居者の世帯収入に応じて家賃が決定されるため、年金収入のみの方でも無理のない家賃で住み続けられる点にあります。
大阪府営住宅・大阪市営住宅の主な申し込み条件は以下の通りです。
● 現に住宅に困窮していること
● 一定以下の所得であること(年金収入も所得として計算)
● 市町村ごとに定められた居住要件を満たしていること
高齢者については単身入居が認められる場合も多く、一般枠より申し込み条件が緩和された高齢者優先枠も設けられており、抽選倍率が下がるケースもあります。大阪府内では順次エレベーター付き住宅やバリアフリー化も進んでいます。
73歳の女性が大阪市営住宅に申し込んだケースでは、高齢者単身枠で当選し家賃は月額2万円台に抑えられました。エレベーター付き・医療機関も徒歩圏内という条件で、現在は安心して生活できているという声があります。
ただし、募集が不定期であること・必ず当選するわけではないこと・入居まで時間がかかることが公営住宅のデメリットです。民間賃貸と並行して情報収集を進め、条件が合えば積極的に申し込む姿勢が住まい確保の可能性を広げます。
自立型高齢者向け賃貸住宅、大阪の特徴と注意点
大阪の自立型高齢者向け賃貸住宅は、一般賃貸と高齢者施設の中間的な存在で、介護を必要としない元気な高齢者にとって自由度と安心感の両方を得られる住まいです。入居一時金が不要または低額で、毎月の家賃と必要なサービス利用料のみで暮らせる仕組みのため、年金生活でも検討しやすくなっています。
大阪での供給状況と設備の特徴
大阪市内やその周辺では駅近・医療機関充実エリアを中心に供給が進んでいます。多くの物件でバリアフリー設計・エレベーター完備・緊急通報ボタン・安否確認サービス・生活相談窓口が整っており、オーナー側も高齢者入居に前向きです。
大阪府が推進するサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)も多く、安否確認や生活相談が義務付けられています。
入居前に確認すべき注意点
堺市の自立型高齢者向け賃貸に住み替えた71歳の女性は「以前より安心して暮らせるようになった」と話しています。一方で注意点もあります。
介護が必要になった場合には退去を求められるケースがあるため、入居前に「将来的にどこまで対応してもらえるか」を必ず確認することが重要です。また一般賃貸に比べて家賃・共益費・サービス利用料が高めに設定される物件もあるため、年金収入とのバランスを慎重に検討してください。
高齢者家賃補助、大阪はどんな支援が受けられる?
大阪府・大阪市では高齢者向けにさまざまな家賃補助・住宅支援制度が用意されています。条件を満たせば生活の大きな支えになる公的支援が存在しますが、全員が自動的に受けられるわけではありません。
代表的な制度を以下にまとめます。条件によって組み合わせて利用できる場合もあります。
| 制度名 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 住宅扶助(生活保護) | 大阪市単身世帯は月額約4万円が目安 | 生活保護受給が前提 |
| 高齢者向け家賃助成 | 大阪府・各市町村の独自制度 | 自治体により条件が異なる |
| 家賃債務保証料補助 | 保証人がいない高齢者への保証料補助 | 対象物件が限られる |
| セーフティネット家賃低廉化補助 | 登録物件の家賃に対して補助あり | 登録物件のみ対象 |
大阪市で年金生活を送る76歳の男性が市の住宅相談窓口を訪れたところ、セーフティネット住宅と家賃助成制度を併用できる物件を紹介され、月々の家賃負担が約2万円軽減されました。ただし、申請手続きと審査があり、決定まで時間がかかるため早めの情報収集が重要です。
補助の対象となる物件が限られている点にも注意し、「家賃補助の対象になるか」を事前に自治体と不動産会社の両方に確認しておきましょう。
まとめ:高齢者でも借りられる賃貸を探す時の最終チェック
高齢者でも借りられる賃貸を見つけるために、成否を分けるのは「事前準備」「情報収集」「支援制度の活用」の3点です。正しい知識と準備があれば、年齢を理由に住まいをあきらめる必要はありません。
● 年金収入の1/3以内に収まる家賃設定で物件を選ぶ
● 保証会社・緊急連絡先・見守りサービスを事前に整える
● 今の暮らしだけでなく数年後の体調変化を想定した物件を選ぶ
● 民間賃貸・公営住宅・家賃補助制度を並行して検討する
70代で入居した賃貸で数年後に階段の上り下りが負担になり再び引っ越しを余儀なくされた例も少なくありません。最初から将来を見据えた物件選びが二重の引っ越し負担を避ける近道です。
焦らず、一つひとつ確認を重ねながら自分に合った住まいを選ぶことが後悔しない賃貸探しにつながります。
● 高齢者でも借りられる賃貸は制度と探し方次第で十分に見つかる
● 保証人対策や見守り体制の整備が入居成功の大きな鍵になる
● 自立型高齢者向け住宅や公営住宅も有力な選択肢になる
● 大阪では家賃補助や住宅支援制度を活用することで負担を軽減できる

